ストレス社会と言われる現代社会において自律神経が原因で起こる症状は 少なくありません。 テレビや書籍などでよく扱われているためよく知っている方も多いのでは。 ここではあらためて自律神経の事をかきたいと思います。
自律神経とは?
同じ末梢神経系の運動神経や感覚神経のある意識的に働く体性神経系と違い自律神経とは、自分の意思とは関係なく、刺激や情報に反応して、体の機能をコントロールしている神経のことです。
手を動かす、痛いと感じるなど→体性神経
内臓を動かす、食べ物を消化する、血液を流すなど→自律神経
このように生命を維持するのに重要な体の機能をコントロールしているのが 自律神経です。 では自律神経について掘り下げていきましょう。
自律神経には?
「自律神経」はさらに「交感神経」と「副交感神経」の2つに分けることができます。
交感神経 | 副交感神経 |
---|---|
活動している時 | 休息している時 |
目覚めているとき | 寝ている時 |
緊張している時 | 眠っている時 |
興奮しているときに優位になる神経 | 休んでいる時に優位になる神経 |
というように通常の生活を送っていれば昼に交感神経、夜に副交感神経が働いています。 では交感神経と副交感神経についてみてみましょう。
交感神経とは
交感神経がはたらくのはおもに昼間。活動している時、緊張している時、ストレスを感じている時にはたらきます。 仕事、家事、育児、運動、勉強などをしている時に働いているということになります。
ストレスに反応して働くため、ストレスの多い現代社会では交感神経を必要もないのに高ぶらせてしまい、それが様々な症状の原因となっています。上司にどやされる、部下を怒る、家庭内の問題などですね。
よって我々現代人は普段交感神経優位で普段過ごすことが多いのです。
副交感神経とは
逆に副交感神経がはたらくのはおもに夜。眠っている時が働きのピークですが、そのほかにも、食事中、お風呂にはいっている時、ゆったり気分でリラックスしている時に働きます。
現代人はストレス過多で交感神経を発動させやすいので、副交感神経の働きが 低下しやすくなっています。 副交感神経が働かないことで体の回復力が低下し、様々な症状が起こりやすく なっています。
自律神経のバランス
交感神経と副交感神経はシーソーの様な関係にあります。 どちらか一方が働いているときは、もう一方は休んでいます。
昼間は交感神経がはたらいて、活動しやすい状態にする。 夜間は副交感神経がはたらいて、昼間の活動での疲労やダメージを回復する。
前述したように、現代人はストレス過多で交感神経が働きすぎています。 そうすると副交感神経が慢性的に働かなくなり、回復力が低下した状態が続きます。 また交感神経優位のため心身の緊張状態が続き熟睡できなくなります。
こうした状態が自律神経の乱れ→自律神経失調症となるのです。
ではどういった事が起こるのでしょうか。
交感神経優位で起こる事
交感神経がはたらくことが問題なのではなく、ストレスが多いために 交感神経ばかりはたらいてしまい、副交感神経(体の修復)が十分にはたらけないことが問題なのです。
- 本来なら熟睡して体を回復させるべき時に、副交感神経の働きが悪くて眠れない。⇒不眠症になり、身体が回復しない
- 交感神経が優位になると、自動的に肩~首~頭部の筋肉が緊張しますので、緊張型頭痛が起こり易くなります。 筋、骨格の調整だけではなかなか改善しない肩コリ・首コリや腰痛などの場合、自律神経の乱れが原因として潜んでいる場合が多いのです。
- 運動していないのに交感神経が働き心拍数が上がって動悸が起きる、 また呼吸が早くなる
- 暑くもなく、体を動かしてもいないのに交感神経が働き汗が大量に出る
- 体温調節がうまくできなくなり、火照りや冷えを感じやすくなる
などといろんな症状がおこります。
では副交感神経を働かせるためにできる事は何でしょうか
副交感神経を働かせるためには
交感神経ばかりはたらいてしまうことが自律神経失調症の原因。改善には、ストレスを減らすこと、副交感神経をはたらかせることが必要と分かりました。
とはいえ、ストレスとなる仕事や人間関係を急に変えることはできませんし、 自分の意識で、副交感神経にきりかえることもできません。
熱すぎない温度の湯船にゆったりとつかれば、じんわりと体がほぐれていきます。 シャワーだけで済ますと逆効果で、湯船にゆったりつかるのがいいですね。
また、ストレッチをしたり、仕事や家事のあいまに首・肩・腕をまわしたり、 自分で体をもみほぐしたり。散歩などの軽い運動もおすすめです。
他にもアロマや趣味に没頭するなど自分なりのリラックス方法があるかもです。
さいごに
当院でも自律神経療法(調整)をやっております。その手技も副交感神経を活性化させるためのものです。 どんな方法でもオンオフの切り替えは大事です。当院で仕事終わりや休息のスイッチの切り替えをしてください。 この症状で悩んでおられる方はかなりいます。我慢しないで相談だけでもどうぞ!!
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